2026.08.28 更新
外国人介護福祉士の国家試験合格に必要な日本語レベルはN2 ─ 事業者が押さえるべき教育支援のポイント
- 介護福祉士国家試験
- 日本語・教育
外国人介護福祉士に国家試験合格を目指してもらう場合、目安となる日本語レベルは日本語能力試験(JLPT)のN2です。
多くの在留資格で採用時に求められるのはN4〜N3程度ですが、それはあくまで現場業務をこなすための目安であり、国家試験に合格するための水準とは異なります。
「現場で問題なく働けているのに、なぜか国家試験には合格できない」——そうしたケースの背景には、「現場で通用する日本語力」と「国家試験に合格できる日本語力」のギャップが関係しています。
本記事では、その実態を合格率データとともに確認し、事業者としてどのような支援ができるのかを解説します。
目次
在留資格別・日本語要件の違い(EPA/技能実習/特定技能/在留資格「介護」)
外国人が介護分野で働く場合、在留資格によって求められる日本語レベルの目安は異なります。
| 在留資格 | 入国・就労開始時の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者 | N4程度〜 | 就労しながら最長4年以内の国家試験合格を目指す |
| 技能実習(介護職種) | N4以上 | 技能習得が主目的、日本語要件は入国時点では比較的低め |
| 特定技能1号「介護」 | N4相当以上 | 現場での実務遂行が前提、日本語要件は生活・就労レベル |
| 在留資格「介護」(介護福祉士資格保有者) | 明確な日本語要件の定めはなし | ただし介護福祉士国家試験に合格していることが前提 |
ご覧いただくとわかるとおり、多くの在留資格で求められているのは「現場で日常業務をこなせるレベル」の日本語力です。N4〜N3程度でも、日々のコミュニケーションや基本的な業務指示の理解は十分に可能です。
一方で、介護福祉士の国家資格取得を目指す段階になると、話は変わってきます。
「現場で通用する日本語力」と「国家試験に合格できる日本語力」は、必ずしも同じものではないからです。
ここに、多くの事業者が見落としがちなギャップがあります。
介護福祉士国家試験の合格率とN2レベルの相関
このギャップは、実際の合格率データにも表れています。

2026年1月に実施された第38回介護福祉士国家試験では、受験者全体の合格率が70.1%だったのに対し、外国人受験者の合格率は区分によって大きな差が見られました。
特定技能区分は33.0%、養成施設ルートの留学生は34.5%、技能実習ルートは43.9%、EPAルートは31.8%と、いずれも全体平均を大きく下回っています。
(出典:厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験結果」)。
これらの区分の多くは、前述のとおり入国時点での日本語要件がN4〜N3相当にとどまります。現場で働くうえでは問題がなくても、国家試験という「読む・書く・専門用語を理解する」力が問われる場面では、その日本語レベルのままでは十分に対応しきれないケースが少なくありません。
つまり、採用時点の在留資格要件をクリアしているからといって、そのまま国家試験合格まで見通せるわけではない、という点は、事業者としてあらかじめ理解しておきたいポイントです。
なぜN2レベルが必要なのか
試験問題・専門用語の壁 介護福祉士国家試験がN2レベルの日本語力を実質的に必要とする理由は、その出題内容にあります。
試験では「褥瘡(じょくそう)」「拘縮(こうしゅく)」といった専門用語はもちろん、長文の読解問題や、状況を正確に読み取る必要のある事例問題が数多く出題されます。
日常会話がスムーズにできることと、こうした試験文章を正確に理解できることは、まったく別の能力といえます。
外国人受験者向けには、漢字にルビを振った試験問題も用意されています。
しかし、こうした配慮があっても、土台となる日本語能力そのものが一定水準に達していなければ、時間内に問題を解ききることは容易ではありません。
つまり「現場で働けている=試験にも合格できる」とは限らず、専門用語と長文読解に対応できるN2相当の日本語力を、就労と並行してどう身につけさせるかが、事業者にとって重要な課題になってきます。
事業者ができる支援 ─ 日本語教育のサポート体制がカギ
ここまで見てきたとおり、外国人介護人材が国家試験に合格するためには、現場で働きながらN2レベルまで日本語力を引き上げていく学習支援が欠かせません。
独学だけでこの壁を越えるのは決して簡単ではなく、体系的な学習環境の有無が、そのまま合格率の差となって表れています。
だからこそ、採用の入り口だけでなく、入国後・就労後の日本語教育をどう継続的にサポートしてもらえるかは、支援機関・登録支援機関を選ぶうえで欠かせない判断基準のひとつです。

たとえばアクタガワHRMでは、入国時点で既にN3レベルに到達している人材のみを紹介する方針をとっており、入国直後には日本での生活マナーや給与・税金の仕組み、職場文化などを学ぶ入国時研修を実施しています。
来日直後の不安や戸惑いを軽減し、安心して就労をスタートできる体制です。
日本語教育の面でも、日本語教師の国家資格「登録日本語教員」を保有する講師が、JLPT N2および介護福祉士国家試験の合格を見据えた指導にあたっており、介護現場で使う専門用語や実践的な会話力の習得にも力を入れています。
紹介する人材も、入国後の夜間学習への参加に同意した学習意欲の高い学生に限られており、継続的な学習支援を通じて、現場でのコミュニケーションやチームワークの向上にもつながっています。

さらに、グループ会社が実施する初任者研修・実務者研修・日本語研修に無料で参加できる「介護福祉士絶対合格プラン」も用意されており、教育専門スタッフが一人ひとりの理解度に合わせて指導する体制が整っています。
試験対策から日々の学習サポートまでを一貫して支援することで、施設様にとっても、長期的に安心して活躍できる人材の育成につながります。
参考記事・サイト紹介